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第9話
ズーン……と肩を落とし、はしゃいでいる聡の元へ帰る
すると僕が帰ってきたことに気づいたのか、バタバタと騒がしい音を立てながらこちらに近づいてきた
「どうよ?触れたか?」
「…………………………聡……俺………………」
「ガッカリしてるってことは、触れなかったのか…………」
「…………はぁ、逆だよ…………触れちゃったの」
「え!?すげぇ!いいじゃん!」
はしゃいでそういう彼をとっても、とっても殴りたくなった
「よくない!
戦には行かなきゃダメだし!
なにより長いし!3mくらいあるんだよ!?」
「え?!すげぇかっけぇじゃん!」
さらにはしゃぎ始めた彼に呆れてため息が漏れてしまう
そんな僕の気持ちを知る由もない彼は、よかったな!と、ばしばし肩を叩いてくる
そんな彼に腹が立って僕は、彼の手をちみっと抓った
「いてぇ!なんだよ!澪!」
「ふーんだ!」
子供みたいにべー!と舌を出し合って馬鹿にし合う僕らに、お姫様が苦笑いしながら話しかける
「あのー…………澪様?聡さん?」
「あ、はい!すみません…………」
「あ、いえいえ
楽しそうなところ、申し訳ないのですが
戦に行くにあたって、軍の長官に会っていただきたいのですが………………」
「あ、はい!わかりました!」
よかった、とため息をつくお姫様の後ろを
僕ら2人は足を蹴り合いながらついて行った
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