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第10話

お姫様に案内されて入った部屋は、さっき居た広間とは違い、なんだか冷たい感じがした 「ジュダス、連れてきたよ」 「お姫様、ありがとうございます こんにちは、勇者様」 にこりと向けられた笑顔には、何故かぞくりと背中が粟立った ひきつる顔を何とか笑顔にして握手を交わす 聡が僕に続こうと手を出したが、何故かそちらとは握手をしなかった …………冷たいやつだな……と僕に耳打ちする聡に心の中で同意する なんだかよく分からないが、この人はやばい と僕のなにかか叫ぶ 僕にそう思われてるなんて知らないだろう彼が真剣な顔をして作戦を伝えた 勇者がこの世界に現れたことで、これから本格的な戦争が始まるらしい まず、狙うのは獣人が沢山いるフォーバという街 その街は人間族の街からは遠く離れているが、人間族と魔族の国の境界に1番近いそうだ まずそこを、僕を先頭に国の主戦力で向かって全滅させるらしい どうしても全滅なのか、と問うと、なぜ?という顔をしながら、当たり前じゃないですか、と答えが返ってきた どうやら、その街には戦闘兵士しか住んでいないらしく、そこを叩くのが一番いいらしい 「…………ここまで、いいですか?」 「はい、大丈夫です」 「では、次に明日の動きを伝えます」 「…………え?!明日!?」 「はい、動きは早い方がいいかと思いまして」 作戦実行が明日だと伝えられた瞬間、言いようのない緊張感が僕を包んだ 異世界とはいえ、人を殺すんだ………………この僕が……………… ぎゅっ、と手を握り、硬い顔をしていた僕に気づいていないようなジュダスさんは淡々と作戦を伝えた まず、フォーバ村を囲んでいる山々から魔法の弾激を降らせ、砦を壊す その後、僕を先頭にしたみんなで兵士を次々に殺していけばいいらしい 「……作戦は以上です 異世界から来ておつかれでしょう 今日はゆっくり休んでください」 「はい、ありがとうございます…………」 僕が礼を告げると、もう話すことなし、と書類に目を通し始めてしまったため僕らは静かに部屋を出た この作戦が明日、僕に地獄を見せるなんて この時の僕は何も知らなかった……………………

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