「三島、おはよ」 「……」 森保君の挨拶を無視する俺。 只今、午前7時35分。 オレ…無視しちゃった…。 森保君の挨拶…無視しちゃった…。 …。 アレ…？でも、森保君はいつも通り？ 昨日の電話で、"モリー"呼びを却下された俺。 思ったよりもショックで、そのまま電話を切ってしまった。 何で"モリー"って言ったらダメなんだろう。 「モリー、マンガさんきゅー」 鈴木君だって。 「モリー、次の古典自習ー」 佐藤君だって。 「モリー、こっちこっち！」 ヨッシーだって。 森保君と仲が良い人は、みんな"モリー"って呼んでるのに。 お、俺だって、森保君とほぼ毎日電話する仲なんだゾ！ 確かに、ヨッシーみたいに森保君と肩組んだりとかはないけど。 俺自惚れてたのかな？ 森保君の隣りにいれるぐらい仲良くなれて。 俺勘違いしてたのかな？ あの綺麗な『森保佐久間』と親友になれたって。 森保君の中では、オレはまだ生徒Bなのかな？ そうだったら、なんか悲しい。 でも… 「三島、おはよ」 「……森保君、朝は無視して、ごめん」 スマホに表示される『もりやすくん』に、やっぱり自惚れて勘違いしちゃう俺は、親友(仮)Aです。