「…という事で、佐久間がおヒマなときに、家にきてほしいなぁ…」 「じゃぁ…明日帰りに寄ろうか？」 「えっ！？」 なっちゃんのお願いをお伝えした俺に、早速来てくれるという返事をしてくれた佐久間。 只今、午後10時49分。 やっぱり佐久間は、ロリコ…。 「ってか、藤、オマエそーとーシスコンだよな」 「えーそうかなー」 「小1の妹といまだに一緒に風呂入って、髪乾かしたり」 「フツーだよー」 だって、まだ小1だよ。お風呂で溺れたらどうすんの。 髪も、なっちゃんしっかり乾かさないで寝ちゃうから、乾かしてあげないと風邪ひいちゃうし。 「写真のフォルダも"なっちゃん"が幾つある？」 そ、それは…。 「……年別に分けて、3つ」 「そーとー」 「……シスコンです」 佐久間も、妹がなっちゃんだったら、絶対シスコンになるって！ 断言できる！！ 「まぁー実を言うと、藤をそんだけメロメロにする"なっちゃん"、会ってみたかったんだけど」 えっ、そうだったんだ…。 「……佐久間」 それって…。 「だから、ロリコンじゃねーからな」 「ハイ」 それは分かっております。 そうじゃなくて…。 「でも、嬉しいかも。なっちゃんが、俺に会いたいって言ってくれて」 やっぱり…。 「…うん、なっちゃんも佐久間と遊ぶん だって張り切ってる」 「そっか。俺、小さい子と遊んだ事ねーからな。期待に添えれるか心配だな」 佐久間の弾む声。 「…うん」 「藤、どうかしたか」 「…ううん、何でもないよ。俺も楽しみ、佐久間が家に来てくれるの」 何でもあるし、どうかしてる。 「…藤、ウソつくなよ。ホントに、何でもないのか」 「…うん、何でもないよー！」 そんなことない。 「ならいいけど…」 「……」 何で…。 「子ども心を掴むのに、お菓子か何か持っていった方がいいか…。なっちゃんの好みってどんなん？」 なっちゃんばっかり？ 「…帰りにコンビニ寄って決めよう」 「そうだな」 なっちゃんばっかり、…ずるい。 「あ、それと」 アレ、俺、なっちゃんに嫉妬してる…？ 「藤の好きな浪花屋のたい焼きも買って行くか」 「う、うん！」 佐久間のそういうの、…ズルい。