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第19話
『ことり。会いたい』
翔琉からメッセージが届く。一言だけ。たったそれだけなのに自分でも口角が上がるのがわかる
「水無瀬…」
「ん?」
「誰から?」
「お前に言う必要ない。じゃあ」
「…かなり可愛かった…水無瀬の笑顔…」
そう言って水戸が頬を染めていることを僕は知らない
逸る気持ちを押さえながら翔琉の元へ向かう。
準備室の前でいつものように息を吐く
カタン…
中で物音がした
「先生が好きです」
「…」
翔琉の声は聞こえない。おそらく本棚の影にいるのだろう
「どうしても?」
「…」
「じゃあ…キスして下さい」
その場に居続ける事が出来なくて一旦そこから離れた
翔琉…あなたはどう答えたの?
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