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第36話
結局両親が帰ったのはそれから2時間後。今さら学校に戻っても意味なんてないのでそのまま部屋着に着替えて横になった
そうするとさっきの翔琉と望の仲良さそうな姿が浮かぶ
とてもお似合いだったな…僕とは比べ物にならないほどに…
「はぁ…何で僕離れられないのかな…」
気が付いたら眠っていて次に目が覚めた時にはもう日付も変わりそうだった
「ん…ことり…起きた?おはよ」
「翔琉?どうしたの?」
「ことりに会いたくて合鍵で入ったら寝てて寝顔見てたら一緒に寝ちゃってた」
「そう…」
「どした?」
そんな柔らかい笑顔で見ないで…勘違いしちゃうから…
「何でもない…僕お風呂とかご飯まだだから今日は帰って?」
「え?」
「帰って。僕疲れちゃったみたいだし。今日はできないし…」
「ことり!」
翔琉が強く肩をつかみベッドに縫い付けた
「痛い…翔琉」
「ごめん…でも…俺…お前とやりたいから来たんじゃない。お前に会いたかったから来た。やらなくたって側に入れればいい…やりたいからお前と付き合ってる訳じゃない」
翔琉があまりにも必死だからそれ以上は何も言えず絆されてしまう
「わかってるよ。ごめんね。家族が来ていつもより疲れちゃったからいらいらしちゃった…」
「俺もごめんね」
そういうと優しいキスをして来る。この唇は誰のものなんだろう…何度も繰り返されるキスに身を委ねながらぼんやり思う
「ことり。大好き」
「ん。僕も大好き」
だから…僕だけのものになってよ…他の人を見ないで…他の人に触れないで…このまま閉じ込めてしまいたい…誰にも会わせたくない…翔琉…こんなに大好きなんだよ…どうして…僕だけじゃダメなの?
「…お風呂…入ってくるね」
「うん」
体にたまった熱を冷ますために少し温めのシャワーを浴びる。
翔琉を思い自分を慰め高まった欲を逃がした…
「翔琉…」
出てしまった涙をお湯と共に流す…こんなに弱いはずじゃなかったのに…
後一年と少し…その後はもう側にいられないのに…ちゃんと…いい子でいれるかな…ちゃんと、離れられるかな…
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