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第39話
季節は代わり冬。
明日兄が戻ってくる。住まいは僕と同じマンションの別の一室だった。
とはいえ兄はほとんどのことが出来るが家事全般が苦手なためほとんど僕の部屋で過ごすことになるだろう
マネージャーは別のところで世話になるようだしそのマネージャーも仕事は出来るが家事全般は全くダメだから一緒にいても大変だろう
部屋の鍵が開く。開けられるのは一人だから
「おかえり。翔琉」
「ただいま」
用意していた食事を一緒に食べ風呂にも一緒に入る
お風呂で抱き合いぼんやりとする意識を手放した
ほんの少しの時間気を失い目が覚めたときは翔琉が髪を撫でてくれていた
「ごめんねぇ。我慢できなくて」
「ほんと…獣じゃないんだから少し位我慢してよ」
「ごめん」
「ねぇ翔琉。ここの鍵返して」
「え…何で…」
「兄が明日から一時帰国してくるんだよ。だからここに翔琉が出入りしてるの見られたらかなりまずいんだよね。兄はね1つ上の階に暫く滞在するの。兄は僕と違って家事全般が苦手だからほとんどここに来ると思うし面倒見てあげないと大変だし」
「そっか…わかった…じゃあ…返しておくね…ことりうちにきてね?なかなか来てくれないから…」
「ん~兄がいる間は難しいかもしれない…ごめんね」
その間に他に行くのかな…いい機会かもしれない…会えなければ僕と付き合う意味なんてないんだから…
それに僕も受験だし…翔琉に現を抜かしている場合ではない
僕には行きたい場所があるから。勉強に重きを置かないとならない
「お兄さんはいつまで日本に?」
「半年くらいかな」
「そうなんだ…」
「うん。だからこれまでみたいに会えなくなるし…一緒にはいられない…ごめんね。浮気しちゃダメだよ」
僕の方が浮気相手だろうけどね
「するわけないだろ」
嘘つき…他にいるくせに…
「約束ね」
「うん」
守られない約束をして無理矢理笑って見せた
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