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第47話

翔琉との電話を切り胸に抱き締めた。 堰を切ったように溢れ出す涙が止められない。 「翔琉…翔琉…大好きなんだ…やだよ…」 時間まで泣き続けて無理矢理涙を止めた。 少し腫れぼったくなってしまったけれど学校を休むわけには行かない いつもの通学路。 もうすぐ春休みになる。 翔琉と出会った大好きな季節。それと同時に胸が苦しくなる… 春が来たら後一年もないんだから 「おっはよ。水無瀬」 「おはよ。隼人」 「っ…どうした?その顔…」 「あぁ…昨日寝てなくて…寝不足?」 「美人な顔が…台無し…でもねぇか。そんな顔もお前綺麗だな」 「あのさ…毎度毎度無駄に顔誉めるの癖?」 「ん?事実言ってるだけぇ」 「そう」 「そもそもお前が綺麗なのが悪い」 「いい加減見慣れてよ」 「見慣れないし」 「あーあ…隼人のこと好きになれたらいいのに」 「っ…な…何…それ…」 「隼人といるの楽だから」 「そんな顔で言われたら勘違いしちゃうよ。水無瀬。愛してる!」 「僕も愛してるよ。隼人」 「っ…ばっ…ばか…お前自分のことわかってないなぁ…」 「何が?」 「何でもない」 耳まで赤くした隼人を小突いて一緒に歩く 本当に…隼人といるときは僕は僕のままでいられるからきっと楽だろうな…隼人は優しいし気遣いも出来るしきっと今より苦しくない… まぁ隼人が僕をそういう意味で好きだなんてあり得ないことだから僕が好きになったところで何もならないけど 空を見上げた僕を隼人が熱い視線で見詰めていたけれど僕は気付かなかった 「水無瀬…好きだよ…俺にすればいいのに…」 「ん?隼人?何か言った?」 「何でもないよ。お前さっきみたいなこと他の人に言うなよ」 「お前にしか言わないよ」 「…このやろ…」 「ほら。立ち止まってないで行こう」

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