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第48話
周りの人も僕の顔を見て心配そうに声をかけてくれた
寝不足だと話したらみんな安眠方法をたくさん教えてくれた
みんなの優しさが嬉しい
昼休み。
天気もいいので屋上で昼食を摂ることにした
屋上はあまり来ないのだけど今日は空の近くに行きたかった。
どんなに会えなくたって結局同じ空の下にはいるんだから寂しくない。そう自分に言い聞かせる。
いつもは隼人と過ごすのだが隼人は今日は部活の子達と約束があるとかで珍しく別々だった
天気がいいのに今日は誰もいなかった。
その方が今日は良かった
「君は…水無瀬 ことりくん」
見覚えのある男。ここの警備員だ
「こんにちは。生徒のことも覚えてらっしゃるんですね」
男ははにかむと側に来て急に僕を押し倒した
「君みたいな綺麗な子は覚えているよ。はぁ…」
僕を組み敷いたまま男は僕の匂いを嗅ぐ
「写真を撮るのが趣味なんだ。撮らせてくれる?君の綺麗な裸の写真」
そう言うと僕の腕を片手で纏めて空いた方で何か取り出す。
キラリと光るそれが針とわかる。
禍々しい色をした液体が中に入っていてこれが普通のものではないことくらいわかる
「ちっ」
「え?」
僕が舌打ちなんてするとは思わなかったのだろう。
「誰に向かって事を起こそうとしてるの?あんたバカ?」
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