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第51話
「ねぇ。翔琉」
「何?」
「ちゃんとご飯食べてた?少し窶れた気がするけど」
「ことりに会えなくて…食事が喉を通らなかった」
「毎日あってるじゃない。学校で」
「でも…学校ではあまりことりといられないから…寂しかった…うちにもなかなか来てくれないし…お兄さん大切なのはわかるけど…寂しかった…」
「ごめんね」
こんなに弱ってる姿…。僕といられなかっただけでこんなになるなんて何だか可愛らしい。
それが嘘でも嬉しかった
「翔琉。大好きだよ」
「ことり…俺も…俺も大好き。ことりといられないの耐えられないよ…」
「もう…大袈裟だな」
「うるさい…初めてなんだ…こんなに好きになったの…どうしていいかわかんない」
「もう…」
その言葉を信じた振りをして残りの期間を過ごす。
もうすぐ3年になる。そうなるとこういう時間ももう取れないだろう。
そして…そのまま卒業式を迎えて…恋人の時間が終わる…
あっという間だった…本当に…あっという間で…このまま時が止まればいい…何度思ったかわからない叶わない願いを胸に抱き締める
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