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第52話

3年になった。 今年もまた隼人と同じクラスで担任もまた翔琉だった 毎日翔琉を見られる…これを幸せだと思わなくちゃ…一年…翔琉の姿を目に焼き付けよう… 「水無瀬!今年もよろしく」 「よろしく」 二人で話していると翔琉がやって来た。 「水無瀬。後で職員室に」 「はい」 今日は職員室なんだ…何だろう? 「なんだろうね?」 「さぁ…進路のことかな?成績まずいかな?」 「いやいや。お前は余裕だろう」 「取り敢えずいってくるね」 職員室へ向かうと教師が一斉に振り返る 異様な感じに身が縮こまる思いがする 「新庄先生なんですか?」 「お前に話が」 「話し?」 「短期で留学しないか?」 「は?」 「お前の成績を見た姉妹校の方からお前に来て欲しいと直々に連絡があって」 こんな時期に留学なんて…この学校では毎年あることだとわかってはいたけれど…毎年希望者が優先的に行かされるはずなのに…何で僕に? 「それは…強制?」 「いや…ただこれはお前の志望大学にとってはとても有利になる」 「…考えさせてください。…では失礼します」 翔琉は会えなくなっても平気?たった3ヶ月…この3ヶ月…僕にとってはとても長いよ…翔琉… …更に会える日を少なくしたい?そんなに…僕と…離れたい? 教室に戻ったらすぐ隼人がやってきた 「何だった?」 「留学の話しが来てるみたい。来月から3ヶ月。でもこれに行くことで進学に有利になる。結構語学力とかコミュニケーション力とか重要視されるから」 「どうするの?」 「僕のためには言った方がいいんだろうなって…でも…」 「好きな人のこと?」 「僕には…この3ヶ月も惜しいのに…」 「どういうこと?」 「…離れるの寂しいな…って…」 「その人はお前のこと…」 「さぁ?多分あの人は…僕のために行けと言うんだろうな…」 1日どう過ごしたのかわからない…気付けば放課後だった。 翔琉の顔をちゃんと見れないまま僕は下校した。

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