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第54話

「翔琉…どうしたの?仕事は?」 「今日はもう終わり。なぁ…ことり…これから時間ある?」 「…うん…」 翔琉に導かれるまま翔琉の家に向かう 「ことり…」 翔琉は家に入ってから僕を離そうとしない 「翔琉?どうしたの?」 「留学の話し…受けろ」 「え…?」 「お前のためには大切なことだから…だから…」 「…離れても…平気なんだね…翔琉は…」 「…平気なわけないだろ…やだ…本当は行かせたくない…でも…お前の将来には…必要なことだとわかるから…だから…」 「…わかった…わかったよ…」 「ん…毎日連絡する…絶対する…だから…」 「わかったよ…行くよ…」 翔琉を見ると苦しそうに俯いていた 「翔琉…」 「俺も一緒に行きたいよ…3ヶ月も会えないなんて…寂しい…」 「たった3ヶ月でしょ。大袈裟だな。戻ってきたらまた沢山愛して?」 「ん…ことり…大好き…」 「僕もだよ」 嘘でもいい。翔琉が寂しいと言ってくれた…本当は行かせたくないって言ってくれた…嬉しかった…偽りでも嬉しかったんだ たった3ヶ月…自らに言い聞かせるよう言葉を紡ぎ翔琉にキスを送る そして旅立ちの時がきた 寂しすぎるから誰にも見送りはお願いしなかった。 一人飛行機に乗り込みこれからのこと…翔琉のこと…色んなことを思い巡らし目を閉じた。 翔琉は言った通り毎日連絡をくれた。約束を守ってくれた… 大勢の中の一人である僕に連絡をくれた… 愛されてる…そう感じられたんだ

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