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第55話
「ことり」
「何?」
留学先でも仲良くしてくれる人ができた
「今日遊びにこない?ホームパーティー開くんだ。俺たちの誕生日だから」
「いいの?僕が行っても」
「うん。弟が是非にってさ」
この人はこっちに来て僕の世話係のようなことを任命された人。
見分けがつかないほどそっくりな双子の弟がいて何度か一緒に食事をしたこともあった
彼の家は元は貴族でかなり裕福な暮らしをしている
行く約束をして寮に戻ると同室の子がやって来た
「ことり」
「ん?」
「あいつのパーティー行くの?」
「うん」
「気をつけて。」
「ありがとう」
「…じゃなくて…あいつの弟生粋のゲイでことりを狙ってるんだ。だから…口にするもの全て気をつけて。」
「え?」
「一度欲しいと思ったものはどんな手を使ってでも手にいれようとするんだ…僕の友人も…ひどい目にあった…だから…気をつけて…」
「…わかった。ありがとう…あのさ…」
何となく僕への熱い視線には気付いていた。嘗めるように見られていることも
兄はきっと気付いていない。弟を溺愛してるし弟は何かと振る舞いが秀でていて周りだって気付くわけないし彼の家は権力者だ。何かされたとしてもきっと誰も訴えることはできない。逆らってしまえばその家庭やその関係者全てが路頭に迷うことになるだろう
それほどの権力者だから
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