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第56話

本当に自宅なのかと思えるほどの規模の屋敷でさながらどこかの高級ホテルのホールのような場所が会場となっている ここに初めて来る僕はどこかに連れ込まれたとしたらきっと一人では出られない それだけ複雑な部屋の配置と部屋の数。迷路のように入り組む廊下 かなり古い建物のようだからおそらく外からの侵入を拒むためだろう 「ことり。来てくれて嬉しい」 「お招きいただきありがとうございます」 「くすっ…何それ。そんな堅苦しいのいらないよ。だって兄の友人でしょ?僕とも。ね?」 「ふふっ…ここに来て君たちとの身分の差思い知っちゃって」 「身分なんて過去の栄光だよ。今はただの民間人」 人の良さそうな綺麗な顔と耳に心地いい声。 アイスブルーの瞳はガラスのように透き通っている。 この人が犯罪まがいなことをしてまで何かするなんて思いもしないだろう。 対峙してる僕でさえこの瞳と声に絆されそうになっているのだから 「ねぇ。ことり」 「ん?」 「君はきれいだね」 「君たちには到底及ばないけどね」 「君みたいな日本人とは初めてあったよ。皆同じような顔しているのに君だけは違う」 「大袈裟だな」 「ガラスケースに入れて飾っておきたいくらいだよ」 「あははっ。何それ」 「ずっと見ていたい…ことり…」 「ち…近いよ…」 今にも鼻頭が触れそうな距離で見つめる目の前の美しい男。 「ねぇ…ことり…僕のコレクションになって」 「コレクション?何の冗談?意外だね。そんなことも言うんだね」 「まぁね。今日は楽しんで行ってね」 「ありがとう」 あっさり引いた男に息を吐く。 コレクション…ね…あの話が事実ならきっと…

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