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第57話

今僕は薄暗い部屋にいる …一瞬のことだった。 本当に一瞬…翔琉のことを思い気が抜けていた。 その一瞬の隙を突かれて僕は意識を手放してしまっていた 「おはよう。ことり。気分はどうだい?」 「ここどこ?僕はなんでここにいるの?」 「倒れたんだよ。だから運んできた」 「そうか。ごめん。迷惑かけて。もう大丈夫だから帰るね」 「ん?何で?君はもう僕のコレクションなんだよ?兄からのプレゼントは君でしょ?」 「は?」 「あれぇ?聞いてないの?」 「何の事?」 「プレゼント何がいい?って兄に聞かれたから君だと答えた。そうしたら君はここにやって来た。だからプレゼントは君。それなのに兄ったらリボン忘れちゃってて…ふふっ…すこーし抜けているんだよねぇ。兄は。まぁそこが可愛いんだけどね。そのリボンすごーく似合ってる」 そういうと部屋に明かりが点る。手元のリモコンで操作したのだろう。 言われて己の体を見ると首元に真っ赤なリボンが巻かれ手と足にも同じようにリボンのような枷が嵌められていた。服の類いは何も身に付けていなかった 「何の冗談?」 「え?冗談?意味がわからない」 「いや。意味がわからないのはそっちでしょ?」 「ことりは本当に綺麗。」 「触らないで」 「どうして?僕の物なのに触っちゃダメなの?」 「これ。外して」 「どうして?こんなに似合ってるじゃない」 「だって…自由に動けないじゃない。僕だって君に触りたい。」 「僕が沢山味わった後にいくらでも触らせてあげる」 ダメか…どうするか… 「楽しもうねぇ…ことり…」 「待って。お風呂…入りたい。」 「だめ。」 「やだ。だって僕汗だってかいてるし」 「それがいいんでしょ」 通じるわけないか… 「ねぇ。僕は君のものになったんでしょ?」 「そうだよ」 「僕は短期留学でこっちにきてるんだ。知ってるでしょ?来週帰国なんだけどそこはどうなるの?」 「?」 「ねぇ。ずっと僕を側に置いてくれるの?」 「勿論」 「じゃあさ。僕のこと待ってる人たちに一度連絡してもいい?僕にだって家族や友人がいるんだ、帰国できなかったら捜索願いとか出されちゃう。ここの権力は日本では通じないから。だから僕がうまく言って君の側から離れられないようにしたいな。学校の手続きなんかもしたいし」 「そう。わかった」 そこは素直に聞くんだ。 ルームメイトに連絡をいれる。彼が僕のこと少しでも考えてくれるなら動いてくれる。でもそうじゃなかったら? こんな家と関わりたくないだろう。 でも一応連絡をいれた。

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