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第66話

「どうしてあの家に来たの?」 「お前の部屋に一度行ったんだ。そうしたら同室の子がいてここのこと話してくれた。話していたらことりからメッセージ来て色々察した。後は君のお父さんが動いてくれたよ」 あの子は僕のお願い聞いてくれた…自分の危険を省みずに… 「お願いがある。あのさ…僕から一度メッセージきたらここに連絡してくれる?」 父の名刺を渡していた 「父はあの家に何かされたとしてもあまり影響は出ないから。そうだな…いろいろありがとう。そうメッセージを送るよ。そしたら…ね?でも…無理はしないで。僕はきっと大丈夫だから」 無言で彼は聞いていたからまさか父に連絡してくれるなんて思わなかった 「それで家の場所も聞いた。でもね俺は招待状持っていなかったから中に入れなかったんだ。どうしようかと裏庭の方へ向かったらアレン?だっけ?たまたま外に出てて事情を話すと入れてくれたよ。ことりの恩師ならって」 「不用心だな…」 「何それ?俺が怪しいとでも?」 「普通そう考えるでしょ?アレンは微妙に抜けているからな…」 「会場に入ってもことりが見つからなくてうろうろしてたら何かそわそわしてる感じの人がいたからその人に話を聞いたら…お前の飲み物に薬を入れているのを見たって聞いて。彼のスマホの中にたまたまそれが写り込んでいた。動画を確認しているときに見つけたみたいで。その後お前が倒れてそれを介抱するアレクをみたって言ってた。どうかとは思ったけどもらった動画をアレンに見せたら血相変えて探しにいった。俺も探しに行ったけどあの家かなり複雑で迷っていたら紳士に出会ってやっぱりどうかと思ったけどその人に動画見せて。そしたらその人までどこかいっちゃうし…途方にくれてしばらくしたらまたあの紳士が戻ってきて浴室まで案内してくれて。そしたらお前息荒くして踞ってるから焦っちゃった…そうこうしてたらお前が意識を失ったからここにつれてきた。お前が帰国するときまで俺はこのホテルに宿泊するんだ。それでことりと同じ便に乗って一緒に帰るんだよ」 「そっか…翔琉…僕…汚れた…浮気になる?よね?ごめんね。僕が浮気しないでって先に言ったのに。だから…もう一緒にはいられない…ありがとう。さよなら…また学校でね」 これ以上は顔を見られない…急いでドアノブに手をかけた それを遮るように翔琉の大きな手が重なる 「俺のこと嫌いになったならそれを受け入れるよ。でもまだ好きでいてくれるなら…俺は…。何があったのかだいたい想像はつくよ。それはお前が自ら望んだこと?彼のこと好きになってしたこと?彼のこと好きで…俺より彼が好きでしたことなの?」 「そんなわけない…僕は…僕には翔琉だけだよ」 「だったらまだ離れるのは許さないよ。今日は帰さない…俺が彼に触られたところ全部上書きする。おいで。ことり」 翔琉に誘われ手をとる。その日は色濃い一夜となった

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