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第68話

翌日寮へ帰るとルームメイトが安堵した表情で迎えてくれた 「ことり…よかった…先生に会えたんだね…よかった」 「ありがとう。君のお陰で戻ってこられたよ。君の友人も今ごろは病院で治療を受けているよ」 実は彼の友人は彼の恋人で無理矢理に薬付けにされて彼が飽きた後その側近たちの玩具にされていたのだった。 「ありがとう…ありがとう…ことり…」 「それと…君たちはこれまで通り普通の暮らしができるよ。彼らの父親が謝罪をしたいと言っていたよ」 家にいることがほとんどない彼らの父親も家に常にいる使用人たちも彼のコレクションの部屋には入ったことがなかったそうだ 彼の完璧な表情と行動が気付かせることを遅らせたのだろう 一番ショックを受けているのはアレンで、ずっと側にいたのにアレクの闇に気付けなかったことを悔いた。 全く同じ顔で血の繋がったアレクに家族以外の感情を持ち続けていたため極力家では避けるようにしていたのが仇となったのだった アレクがコレクションを始めたのは数年前。 彼もまたアレンに特別な感情を持っていてこれは持ってはならい思いだ…そう思った彼はこの気持ちを誤魔化すために男たちのコレクションを始めた コレクションとされていたものは二人に背格好のどことなく似ている者ばかりだった。 これまでの被害者たちへ慰謝料や治療費を払い彼は拘束された。 ニュースで報じられることはどうにか食い止められた。 国全体で包み隠した。 でも…コレクションとされた人たちはこれから長い治療を受けることになるのだろう… いつか…みんなが…笑えますように…そう願うことしか僕には出来ない

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