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第73話

「これ以上はまずいかな?…戻る?水無瀬…」 「う…うん。そうだね…いやぁ…でも…すごくお似合いだったね」 「そうだな。男同士でもあれは絵になるわ…」 階段を駆け下りようとしたとき下から足音が近付いてきた かなりがたいのいい強面の大男… 「…か…可愛い…っ」 「え?」 すれ違い様僕たちを見て彼が俯く 「えっ…と…」 「あ…悪い。じゃあな」 「あ!今は行かない方が…」 その声を無視して男は駆け上がっていった 「うわ…ダメだろ。どうしよ…」 「取り敢えず戻ろう」 精一杯の虚勢を張り踵を返す。 ここにきてまさかのことに流石に同様は隠せなかったようだ。隼人に気付かれてしまった 「水無瀬?お前何か無理してる?」 「え?そんなことないけど」 「…まぁ…担任と担任になったことがある二人のあの姿見たら…そうなるよなぁ」 「まぁな…」 「お前さぁ…もしかして…」 「ん?」 「いや…何でもない」 そのあとはお互い口をつぐみ後夜祭までの時間を教室で過ごした。 僕の机の中には沢山の手紙が入っていた。 「水無瀬。これ預かった」 その後もクラスメイトたちからいくつもの手紙をもらう 「今年もかぁ…毎年大変だな。水無瀬。羨ましい」 周りから揶揄され苦笑した 本当に好きな人からモテないと意味ないんだけどな…そんな気持ちを飲み込む 「行くの?」 「…ん~…そうだね…行ってくるよ」 そして恒例の告白合戦が始まった

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