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「糸島ぁ!悪かったって!泣くなよぉ!明日何時なら平気なの?」 「えと…18:00以降でしたら」 「明後日は…あぁ!創立記念日かぁ!んなら…明日うち泊まりに来る?」 いやいや!俺何言っちゃってんの?… 「お泊まり…」 やましいことなんてないからな!ただ糸島は有名人だからゆっくりできんの家だと思っただけだからな!な!? 「無理にとは…」 「いえ!!行きたいです!いいんですか?」 「うん。俺明日バイト休みだし明後日は午後からだから。あぁ…午前中までになっちゃうけどいい?」 「はい。どこへいけば良いです?」 「お前んちどこだっけ?」 「えと…◯×公園の近くです」 「ならそこに18:00に待ち合わせな。迎えに行く」 「お迎え…はい!わかりました。明日…楽しみにしてます」 よかった…元気戻ったみたい 「おう!んなら明日ね。おやすみ。好きだよ」 「え!!」 はっ!俺何やってんの…誤魔化さないと… 「ははっ!可愛い後輩だもんね。大好きだぜ!」 「あ!あはっですよね…」 ん?何か…ショボンてした?いやいや都合の良い解釈しちゃいかんやろ 「俺も大好きですよ」 うーわ!!何この破壊力…あぁ…もう…最悪…その言葉が俺と同じ意味なら良いのに… ドキドキ鳴る胸を押さえながら電話を切る 糸島の声…かわいかったな…寝起きだとあんな声なんかな…テレビで見るときは凛とした声なのに… 「…最悪…」 糸島の声を思い出したら俺の俺が芯をもって主張していた。 糸島の乱れる姿を想像しながら欲を放つ自分。きっと暫く抜いてなかったからだから…違うからね!違うよ! ごめん…糸島… その晩夢にまで糸島のヤラシイ姿が現れて朝から欲を放ったのだった。もう認めます。多分あの時…目にごみが入ったって目を潤ませていたときにすでに恋してた… 昨日の涙声を聞いて撃ち抜かれた…たぶんあんな顔俺以外あまり見たことないだろうから嬉しかったんだ… もしかすると水無瀬がいなければ高校時代のあの入学式の時の涙目のときから捕らわれていたのかもしれない。そばに水無瀬がいたからそうならなかっただけで 一日中にやけながら過ごして夕方。待ち合わせまでまだ二時間くらいある 飯でも作ってやろうかと材料を買い家に戻り準備する。客間も掃除して…うん。こんなもんだろう。 ちょうど良い時間になったから家を出た。

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