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第2話

「・・・あっ・・・」 思わずため息が漏れた。 うちにいるときは、服を着る事を禁じられている。 段々寒くなってきて、それではお腹を冷やすからと、瑞樹さんのシャツを羽織る事を許して貰った。 臀部を撫でられ、手は前へ滑り込んでいく。 「瑞樹さん!」 「うちでは、お兄様だろ?咲良」 「お兄様、そこは・・・」 「誰にも触らせてないだろうね」 頷くと、手がすぅ~と離れ、テーブルの上に置かれた赤色の首輪を手にした。 「咲良は誰のモノだっけ?」 「体も、心も・・・全部、お兄様のモノ・・・お兄様と、弘樹さま、遼さまのモノ・・・です」 「分っているならいい」 彼にここに囚われて、早5年・・・。 本当は、外に出したくないが、義務教育だから仕方ないと、彼の友人である、弘樹さんと、遼さんに常に監視され、学校に通わせて貰っている。 感情はとうの昔に捨てた。 どんなに泣いても、叫んでも、誰も助けに来てくれない。 彼に飼われ、一人で生きていくしかないんだもの。 首に、彼の所有物である示す赤い首輪を付けられ、今日もお利口さんにしていたねと、ご褒美に額に口付けをして貰った。 「15になったし、そろそろ、いいんじゃないか?」 「そうだよ瑞樹」 どたどたと弘樹さんと、遼さんが台所に入ってきた。 「口だけじゃあ・・・なぁ・・・」 「そうだよ」 後ろに割り込んで来ると、あちこち好き放題に撫で始めた。 嫌悪感しか感じない。

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