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第6話
「お兄さんの携帯に何度か連絡はしたんだけど、なかなか、繋がらなくて。昨晩、やっと連絡が取れて。熱はどう?病院には行った?」
おでこに、先生の掌がそっと触れた。
「先生、何やってんだ。俺らの咲良に、気安く触るな‼」
弘樹さんの怒声に、先生、慌てて手を引っ込めた。
「休んでいた間のプリントと、ノートのコピーだ。関の家、誰も分からなくて」
カバンから、紙の束を取り出すと、手渡してくれた。
貰うとき、また手が触れて、先生、何故か顔を真っ赤にしてた。
それを見た、弘樹さんと遼さん、ニヤニヤと笑っていた。
「ダメだよ、先生。教え子に手を出しちゃ」
「咲良を溺愛する瑞希に殺されるよ」
「な、なにを言ってるんだ‼君たちは‼」
先生、ゆでたこのように、顔を真っ赤にして、そそくさと、帰っていった。
「若い先生にはちと刺激が強すぎたかな⁉」
「だろうな。裸でーー体中、キスマークだらけで寝てんだから」
二人が、ベットの上に這い上がってきて、布団を捲った。
「鬼の居ぬ間に、いいことしようか」
「もう我慢出来ない」
交互に口付けされ、のし掛かってきた。
その時ーー。
バン‼と、扉が強く叩かれ、弾かれるように、二人が振り返ると、そこに、瑞希さんと、彼の後ろに隠れるように先生がちっちゃく肩を丸めて立っていた。
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