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悲しみと苦しみと。(14)

「『歩ける』なんてことは言わせないよ? 君はさっき転げ落ちるということを実証してくれたんだから」 『下ろして、歩けるから』  そう言おうとしたら、先に言われてしまった。 (でも、待って!!)  紅さんが向かう場所はもしかして……。 「お風呂、一緒に入ろうね」  紅さんは、僕に向かってもう一度微笑むと、静かにそう言った。 「ぅ、ええええええっ!?」

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