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いつもとは違う日常。(2)
これも霊体から身を守るための紅さんなりの優しさなのだろう。
はじめて言われた時はとても恥ずかしかった。
――とはいえ、『美しい』なんて言われると未だに顔は熱くなるし、恥ずかしい気持ちは変わらない。
まだまだ慣れないし、けっして頷 けるようにはならないけれど……。だけど、僕も笑い返すくらいはできるようになった。
僕が笑い返せば、そこから1日がはじまる。
ベッドの上に置いている目覚まし時計は、朝の7時を指していた。
僕も紅さんに続いてベッドから起き上がる。
僕の体調は紅さんの看病のおかげでほとんど回復した。
霊体に悩まされ、一睡もできず、飲み物もろくに口にすることができなかった、衰弱していた当初とは、まるっきり違う。
歩いてもよろけることもなくなった。
何よりご飯もきちんと食べられるようになったんだ。
朝起きて、
着替えて、
ご飯を食べて、
お風呂に入って、
眠る。
当たり前かもしれないけれど以前までは考えられなかった、普通の生活。それが今では当たり前のようにできる。
紅さんにはお礼しきれないくらいとても感謝している。
でも、ふと思うのは、いつまでこうして、僕を傍に置いてくれるのかっていうこと――。
紅さんだって自分の生活があるし、赤の他人の僕がいつまでも図々しくお世話になるわけにはいかない。
いつまでも迷惑をかけてちゃいけない。
早くなんとかして解決方法を探さなくちゃ。
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