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気づいた恋心。(2)
紅さんは僕とお風呂に入るたび、見違えるように健康的な身体になったねって褒めてくれる。相変わらず身体中の全部を洗われてとても恥ずかしいけれど、そう言ってくれてとても嬉しい。
でも、最近おかしいんだ。
僕の身体、紅さんに触れられた箇所が熱くなるんだ。
きっと夜、離れて過ごしているからかな。
紅さんと離れて寂しいんだ。
僕が甘えられる人なんて今まで父さんしかいなかったから、だからだと思う。
僕にとってはとても有り得ない日常。それが毎日続いていた。だからあの苦しくて悲しい以前の生活は何かの間違いじゃないかって、そう思える時が時々だけれど出てきた。
――古都くんと鏡さんが僕の面倒を見てくれるようになってから1週間が過ぎたその日。
いつものように夜を過ごしていた。
その日の深夜はなぜか寝付けなくて、僕は紅さんの匂いがする布団にくるまりながら、紅さんがお仕事から戻って来る3時頃までベッドの上で何回も何回も寝返りを打っていた。
鏡さんと古都くんとは一緒に寝ていない。ベッドはそこまで広くはないし、それに……どうしてかな。ふたりきりでいる古都くんと鏡さんの場所に、僕が入って行っちゃいけない気がするんだ。
だから鏡さんと古都くんには1階にある客間を使ってもらっている。
幸い、怖い夢も見なくなっているし、紅さんは深夜いないっていっても、3時には家に帰って来てくれるから、寂しさもそこまでじゃない。
だから平気。
寝付けなくてベッドの上でモゴモゴしていると、トイレに行きたくなった。
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