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気づいた恋心。(3)

 起き上がって目覚まし時計を見ると、ちょうど2時を回ったところだ。  薄暗い部屋のドアノブを回し、寝ぼけた拍子に転げ落ちないよう、階段をゆっくり下りていく。  そうしたら、微かな物音と声が聞こえてきたんだ。  どこか甘くて……なんだかとても落ち着かない声音だった。  階段を下り切ると、甘い声は少しずつ大きくなっていく……。  階段のすぐ隣には客間があって、鏡さんと古都くんにはそこを使ってもらっているんだけれど……。  その客間の襖の隙間から、ひと筋の蛍光灯の光がリビングへ続く廊下を照らしていた。  どうしたんだろう?  ふたりともまだ起きているのかな?  襖の近くに行ったことが、そもそもの間違いだったんだ。 「や……ぁ、ゆきぃぃ……」  古都くんの、普段聞かないような声が聞こえた。  それに……鏡さんのくぐもった声も……。  階段を下りる最中に聞こえた甘い声が古都くんのものだったなんて今さら気づいてももう遅い。 「いけない子だね、古都。2階にいる比良くんに聞こえてしまうよ?」  好奇心に駆られて、少しひらいた襖から中の様子を覗いてみる……。 「やぁ……ぁっ」  敷き布団の上で古都くんが仰向けになっていて、鏡さんが古都くんに覆い被さっていた。  いったい何が起こっているのか、初めはよくわからなかった。だけど少しずつ視線をずらしていくと、見えたのは古都くんのあられもない姿だった。  古都くんは裸になっていて、お尻の孔に、鏡さんの太い一物が挿入(はい)っていたんだ。

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