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気づいた恋心。(4)

 な……に?  それはあまりにも見慣れない光景。  だから僕は固まってしまう。 「ゆき……あい、してる……」 「古都、俺も愛しているよ」  言葉を交わすと、古都くんを組み敷いている鏡さんは上下に動く。  その度に淫猥な水音が僕の耳を刺激する。 「ん……っふ……んっ」  ふたりは繋がりながら、唇をむさぼるようにして味わっている。古都くんはどう見ても嫌がっているように見えない。  古都くんのお尻の孔には鏡さんの太い一物が入っているのに、全然痛そうじゃなくって……。むしろとても気持ちよさそうに受け入れている。  ……愛してる?  でも、古都くんは男の子だよ?  それで鏡さんも……男の人だ。  それなのに……なんで、こんな……意味がわからない。  グルグル、グルグル。  僕の視界が回りはじめる。  気がつけば、トイレに行くのも忘れて、また紅さんのベッドにうずくまった。  ――古都くんは鏡さんを受け入れていた。  ――どう見ても嫌がっているようには見えなかった。  ――それにふたりとも、愛しているって言っていた。  広い部屋の中で膝を抱え、さっきのふたりのやり取りを思い出していると、ズボンの中で僕の一物が大きくなっていることに気がついた。 (……や。どうして?)  そう思うけれど、理由は知っている。  僕は組み敷かれる古都くんを僕に、古都くんを組み敷く鏡さんを……紅さんに被せて見ていたんだ。  紅さんの下で淫らに腰を振って、求めている姿を想像してしまったんだ……。 (どうしてこんなことを考えているんだろう)  僕は……なんて……なんて、汚いんだろう。

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