108 / 253
気づいた恋心。(4)
な……に?
それはあまりにも見慣れない光景。
だから僕は固まってしまう。
「ゆき……あい、してる……」
「古都、俺も愛しているよ」
言葉を交わすと、古都くんを組み敷いている鏡さんは上下に動く。
その度に淫猥な水音が僕の耳を刺激する。
「ん……っふ……んっ」
ふたりは繋がりながら、唇をむさぼるようにして味わっている。古都くんはどう見ても嫌がっているように見えない。
古都くんのお尻の孔には鏡さんの太い一物が入っているのに、全然痛そうじゃなくって……。むしろとても気持ちよさそうに受け入れている。
……愛してる?
でも、古都くんは男の子だよ?
それで鏡さんも……男の人だ。
それなのに……なんで、こんな……意味がわからない。
グルグル、グルグル。
僕の視界が回りはじめる。
気がつけば、トイレに行くのも忘れて、また紅さんのベッドにうずくまった。
――古都くんは鏡さんを受け入れていた。
――どう見ても嫌がっているようには見えなかった。
――それにふたりとも、愛しているって言っていた。
広い部屋の中で膝を抱え、さっきのふたりのやり取りを思い出していると、ズボンの中で僕の一物が大きくなっていることに気がついた。
(……や。どうして?)
そう思うけれど、理由は知っている。
僕は組み敷かれる古都くんを僕に、古都くんを組み敷く鏡さんを……紅さんに被せて見ていたんだ。
紅さんの下で淫らに腰を振って、求めている姿を想像してしまったんだ……。
(どうしてこんなことを考えているんだろう)
僕は……なんて……なんて、汚いんだろう。
ともだちにシェアしよう!