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はじめてのデートとさようならと……。(1)

 (くれない)さんに対する僕の(おろ)かな想いが発覚してから3日が過ぎた。  紅さんにはたぶん、僕の恋心をうまく隠せていると思う。  鏡さんと古都くんとは……あんな姿を見てしまった所為(せい)もあって、なかなかなんでもないふうを装うのは大変だけど、それでもなんとか普段通りに接することもできている。  3人とも、相変わらず優しい。  だからこそ、甘えていてはいけない。  ただでさえ汚らわしいのに、紅さんに対する、『好き』という気持ちが日に日に強くなっている。  このままじゃ紅さんを汚してしまう。  だって紅さんへのこの恋に気づいてから、僕はおかしくなっている。紅さんとお風呂に入るとダメなんだ。  僕の見窄(みすぼ)らしい裸を見られて、全部を洗われて……お尻の中も……。  孔の中に指を入れられて洗われると、鏡さんが古都くんを抱いているところを思い出してしまうんだ。そして僕があられもない姿で紅さんに抱かれているところを想像してしまうんだ。  最近はその所為(せい)で、お尻の中を洗ってくれる紅さんの指をきゅっと締めつけてしまうことも出てきてしまった。  少し前だって、『洗えないから緩めて』……って、紅さんに言われて恥ずかしくなった。  身も心もこんなに汚い僕は紅さんと一緒にいちゃいけない。  これ以上、綺麗な紅さんを(けが)しちゃいけないんだ。

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