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さようなら。(12)
『たましい』
その言葉に、僕は息を飲んだ。
だって、だって……。
そのセリフを口走るのは、ただひとつの存在だけ……。
それは、僕の魂を奪おうとしている霊体だ。
もし今、僕の目の前にいるのが霊体だとすれば、他のふたりはどうなったんだろう?
僕の前から急にいなくなった、ふたりを探す。
すると、頭上の斜め上――。
大きな木が一本植え込まれていた、そこに男の人ふたりが折り畳まれるようにして倒れていた。
この人が……やったの?
ほんの数秒で?
男の人ふたりを……?。
(――ああ、やっぱり間違いない)
この人は霊体に支配されているんだ。
確信すると、甘い疼きは消え、熱を持つ身体は冷えていく……。
「さあ、お前の全部をおくれ……」
絶望に追いやられいると、僕の太腿が大きくひらかされた。
「あ……イヤ……」
鏡さんと古都くんとの行為を見て何をされるのかを知ってしまった僕は、太腿を閉じようとする。
だけど力はとてもじゃないけれど敵わない。
「悪あがきはやめよう……足をへし折られたくは無かったらね。痛いのはイヤだろう?」
ネチャ……。
「っひ!」
ねっとりとした何かが、僕の一物を包んだ。
それが男の人の口だってわかった時には、もう僕のモノはすっぽりと口内に覆われた後だった。
口を窄 め、一物を舐められるたび、いやらしい水音が聞こえる。
一度は、恐怖で萎 えたかと思ったのに、思わぬ刺激でまた、大きく膨れていく……。
「い、やぁ……」
裏に歯を立てられ、責められると先端からは先走りが流れるのを感じた。
「気持ちが悦いだろう? 抵抗さえしなければ……絶頂を迎えたまま、お前の魂も奪ってやるよ」
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