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彼が優しい理由。(9)

 悲しみの色に染まる僕に、また別の糸がやってきた。  今度は乳首を撫でる。 「っふ……あっ」  ビリリと、僕の身体に電流が走る。 「ああ、いいね……お前の声は俺の霊力をさらに上げてくれるいい材料だ……。さっきまで弄られていたから、尖っているじゃないか。どれ、もっと尖らせてやろう」  蜘蛛はそう言うと、束になっていた糸を上半身に巻きつけた。胸の突起がある部分だけを避けて絡めると、突起を押し込むように力を入れられる。 「……っひ」  両胸に絡みついた糸は、思いきり締め上げる。 「っい、ああっ!!」   胸と一物が扱かれて甘く疼く。  僕の身体が熱を持ちはじめる……。 「いいねぇ、いいねぇ。こんなに大きく膨らんじゃって。いやらしい、女の子みたいだよ? ……ならば、こういうのはどうかな?」  今まで僕の一物を弄っていた糸が動いた。  そうかと思えば、勃ち上がった亀頭へと這い……。 「あ、いやぁぁぁあああああっ!!」  糸は尿道線へと入り込んできたんだ。  妙な圧迫と、中を這い、進む感覚に何とも言えない痺れが僕を襲う。  身体は自然と後ろに反れる。 「ぁ、ぁ、ぁ……ふぁ……」  グリグリと尿道を割り入る糸に、腫れあがった僕の一物は脈打ち、溢れ出した淫猥な先走りが糸を伝う。蜘蛛の口内と思しき襞へと流れ込む……。 「や、やぁあああああっ!!」  尿道線の中へ、中へと推し進められる糸は僕を圧迫してきて、苦しい。

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