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薔薇の香りに導かれ……。(16)
紅さんを疑うわけじゃないけれど、でも優しい人だから。少し視線を下ろして本当かどうかを確認した。だけど紅さんが言ったことは嘘じゃなかったんだ。
それがわかったのは張り詰めた紅さんの一物が見えたからだ。それは赤黒くて血管も浮き出ている。
紅さんは僕よりもずっと雄々しくて逞しいものだった。
「……っつ」
ごくん。
紅さんの一物から目が逸 らせない。見続けていると――どうしよう。僕自身もまたじくじく疼く。さっきイったばかりなのに、また勃ち上がっているんだ。
苦しくて……痛い。
紅さんを受け入れることができるお後孔がきゅって締まるのがわかる。
「紅さん……欲しい」
古都くんを組み敷いた時の鏡さんみたいに、僕を……。
「僕を……抱いて」
もう何も考えられない。
ただただ紅さんが欲しい。
「比良……嬉しいよ、わたしを受け入れてくれるんだね」
僕はこくこくと何度も頷いて、紅さんを受け入れるために太腿をひらく。
その瞬間、視界が一変した。
「ひゃ!!」
僕の身体がぐるりと回転してうつ伏せになったんだ。
「な、に。っひゃ!」
視界が変化したと思ったら、僕の肩甲骨に弾力のある柔らかい何かが当たった。
これは紅さんの唇だ。
「やっ、違う!!」
僕が欲しいのはこんな弱い刺激じゃない。
もっと強くてもっとあたたかな紅さんだ。
それなのに、紅さんは僕の胸にある突起を摘まみながら、背中から下に向かって唇が這う。
……ちゅ。
リップ音が聞こえる。
「ん……」
……ちゅ、ちゅ、ちゅ。
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