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薔薇の香りに導かれ……。(24)

「ああっ、ふあああっ」  紅さんは、はじめは小さく、次第に深い抽挿を繰り返す……。  それは海の中にいるみたいだった。  心地よくて全部を委ねてしまいたくなる……。  くぐもった声が僕の耳をつく。  僕を組み敷く紅さんの声がとても綺麗で、思わず笑みを浮かべてしまう。  大好きな男性(ひと)に抱かれることが、こんなに安心するなんて思いもしなかった。  どのくらいそうやって海の中を漂っていただろう。  突然、僕の身体を熱い何かが駆け抜けた。  紅さんが強く、僕の最奥を突いたんだ。  僕の身体は今までにないくらい弓なりに反れて、紅さんの一物をさらに奥へと導く。  その直後、中にいる紅さんをきつく締め付けた。 「あ、あ、ああああっ!!」  中にいる紅さんを肉壁で圧迫すると、お腹の中に熱い迸りが注ぎ込まれる。  僕の身体はさらに弓なりに反れる。  快楽の頂点に達する直前、唇を噛みしめ、目を閉じている紅さんの姿が見えた。  その姿は今まで目にしたことがない、どんな宝石よりもずっと綺麗だった。  目に焼き付けようとしたけれど、やっぱり意識は遠くへと誘われる。  僕はぐったりとベッドに身を預け目を閉ざした。  すると紅さんのあたたかくて力強い腕が僕を包み込んでくれた……。  触れ合う身体が汗ばんでいる。  だけどそれがとても心地いい。  僕は力強い腕に包まれながら、意識を手放した……。

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