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「愛している」の、本当の意味。(14)
目から涙がこぼれた。
「いないよ、比良。暁兄さんも、朱も、もうここにはいない……」
紅さんは僕を暴く手を止めて、そう言った。
えっ?
いない?
羞恥のあまり、流れた涙は、紅さんの言葉を聞くと、すぐに引っ込んだ。
涙で歪みきった目を凝らし、周りを見渡すと、ベージュ色の壁に囲われた、広々とした十畳くらいの大きな部屋が見える。
この空間のどこにも、紅さんと僕以外の人間は見当たらず、ただ、静かに大きな窓にあるレースのカーテン越しから、お昼になりつつある力強い太陽の光が、ダブルベッドまで届いている。
……いつの間に帰ったのだろう。
さっきまで暁さんと朱さんが座っていたソファーは無人だ。
「ね、誰もいないでしょう?」
紅さんが確認を取って、にっこりと微笑んだ。
「……っつ!!」
恥ずかしい。
ふたりが帰ったことさえ気づかないまま、ただ紅さんとの行為に集中していたなんて……。
恥ずかしくなって顔を俯 けると、僕自身を握っている紅さんの手が見える。
「は、う……」
どこに目をやっても、恥ずかしい場面しかない。
ジュク、ジュク……。
止まっていた紅さんの手がまた動きはじめた。
するとまた、強い刺激がやってくるんだ。
「やっ……どうして……やぁんっ」
すっかり赤く膨れた乳首は親指に刺激を与えられて、先走りを流している僕自身は揉まれている。
おかげで僕自身からはしたない水音が奏でられる。
「やっ、紅さんっ!!」
乳首から与えられる疼きも加わって、快楽はよりいっそう尖っていく――……。
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