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「愛している」の、本当の意味。(13)
そこまで言うと紅さんは触っていた乳首のひとつを口に含んで一気に吸い上げた。
「やぁぁぁぁあああああんっ、だめ、やだぁ……」
強い刺激で、僕の背中が仰け反る。
紅さんの肩を押して抵抗しても、唇は胸から離れない。
それどころか甘く噛んでくる。
「わたし好みの身体になったね。美しいよ……」
「……っは、ううっ……」
僕自身からはひっきりなしに先走りが流れ、シーツはもう、円状の濡れでは収まらないほど、まるでお漏らしでもしたみたいに濡れていた。
そのことを知っているだろう紅さんは先走りを流している僕自身へと手を伸ばし、触れる。
「ああ……」
先走りが、僕を包む紅さんの指に絡みつく。
その指で擦られると、淫猥な水音がクチュクチュと部屋中に響く。
「や……やぁ……くれないさ……」
夜ならまだしも、こんな明るい時間から自分がはしたない喘ぎ声を出していることが信じられない。
だって陽の光は僕を照らし、紅さんには僕の全部を見せている。
あれ?
でもちょっと待って?
この部屋には、僕と紅さんだけじゃなくて、紅さんのお兄さんの暁さんと、弟さんの朱さんがいるんだよね?
っていうことは……僕、今……。何をしているんだろう。
紅さんのご兄弟さんがいるっていうのに!?
さああ……。
現状を把握した僕の身体からは、紅さんがもたらした熱が一気に消え去っていく。
「だめ、やぁあああ、暁さんと朱さんがいるからぁ!!」
今さらだって思うけれど、暁さんや朱さんに見られているんだと思うと、堪えられないくらいの羞恥心が襲う。
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