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「愛している」の、本当の意味。(16)

「やだぁ……」  言えない。  入れてほしいなんて言えるわけない!  恥ずかしいよ……。  フルフルと首を振ったら、 「比良……」  円を描いたまま中に入ってくれない。 「中に、入れて……」  紅さんの誘惑に負けた僕がお強請りしたその瞬間、孔の入口にあった骨張った指が中に侵入した。 「っひ、あああっ!!」  指と一緒に入ってくる空気音と水音がとても大きく聞こえた。  奥深くへと入った指が一番感じる部分を何度も強く擦る。 「っん、はっ」 「前立腺のここ、毎日お風呂で洗って慣らしたから、こんなに感じるようになったんだよ? わたしの指だって、こんなに容易く受け入れてくれる――。比良……もう逃がさないよ。たとえ逃げたとしても、何度でもこうして君を追い詰めてみせる」 「ひゃ、なにっ。わかんなっ!!」  感じている僕は紅さんが何を言ってるのかわからない。  ただ腰を揺らして喘いでばかりだ。 「……いや、実際は、追い詰められているのはわたしの方かもしれないね……。わたしは、『君』という存在にすっかり()ちてしまったのだから……」  シコシコ、シコシコ。  紅さんの指が僕のそこを擦り続ける……。 「っいあっ、やっ、あっ、ああっ!! 指、指が、ああんっ!」  紅さんの言葉が、僕の喘ぎ声の所為で、途切れ途切れに聞こえてくる。  とても大切なことを言われていると思うのに、何を言ってくれているのかわからない。 「っは、っは……。くれないさぁん……好き、好きなの……。性欲処理とかやだぁ……同情じゃなくて、ぼくを好きになって……そばにいさせて……」

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