ぜんぶ咥えることはできていないけれど……。 　……悦い、のかな？ 　紅さんの反応が気になって、恐る恐る見上げれば、顔を上向けて目を閉じている姿が見えた。 　頬は、いつもより少し、上気してるように思う。 「比良……」 　口を開けて、何度も僕の名前を熱のこもった声で呼ばれる。 　どこまでも綺麗な紅さん……。 　愛してる……。 　裏に歯を当てて口を動かすと、僕の動きに合わせて紅さん自身がビクビク脈打つ。 　僕の口の中で、紅さんがまた大きくなった。 「んぅ…………んぅ……」 　苦しい。 　でも紅さんが感じてくれているのだと思うとものすごく嬉しい。 　紅さんを悦ばせようと思っているのに、僕も感じてしまう。 　さっき吐精したばかりなのに、また勃ち上がっている。 「……んぅ」 　僕の腰が紅さんを求めて揺れる。 　太腿を強く挟んで僕を刺激する。 　下半身に力が入った。 　好き。 　好き。 　大好き。 　その想いを込めて口に含みきれなかった紅さんの根元を両手で包み、擦り上げる。 　紅さんの先端が喉の奥につっかえて苦しい。 　でも……それすらも愛おしい。 「んむっ……んむっ……」 　目尻に溜まる涙は息苦しいのと、紅さんを想っての涙。 「比良……」 　涙で濡れた頬を、紅さんのあたたかな指が拭ってくれる。 　どうしよう。 　それだけでも感じてしまう。 「んぅううっ」 　口を窄めて紅さんを吸った瞬間だった。 「比良！！」 　えっ？ 「ひゃうっ！！」 　さっきまで頬にあった指が離れたかと思うと根元を擦っていた僕の両手首が捕まった。