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力の使い方。(7)
ピチャッ。
意識したひと粒の雨は、葉っぱに落ちて、跳ねる。
跳ねた雫は分散して、また地面に落ちる。
すごい……。
すごい、すごいすごいすごい!!
たったひと粒の雨なのに、いくつも変化を遂(と)げ、しかも、地面に落ちてもさらに変化するんだ。
こんな光景、今まで見たことがなかったから、なんだかとてもワクワクする!
『紅さん!! すごい、すごいね!!』
すごく楽しくて、僕は紅さんに視線を移した。
『瞬発力や素早さにかけては妖狐は何者にも勝る。人間の肉眼で捕らえきれないようなものが見えるんだよ』
ポツン、ポツン……。
ザアァァァァァァァァァァァ…………。
その日、僕は飽きることなく、紅さんの下で、降り続ける雨を、ずっと感じていた。
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