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魂のよりどころ。(4)

 ……僕だって、いつまでも紅さんに守られてばかりなんて嫌だ。  紅さんと対等になりたい。  何より、紅さんと一緒にいるために……。  僕の身体周辺に妖力を包み込んだまま、どれくらいの時間が経っただろう。  明るい太陽の下で、静かに構えていると……。    重い何かが地面を引きずるようにしてこちらへ向かってくる音が聞こえた。  この音は、父が亡くなってからすぐに聞こえてきたものだ。  閉じた目をそっと開け、前を見据(みす)える。  すると目の前には、肩までの黒い髪に、赤いワンピースを着た――紅さんと出会う直前に見た、あの日の、女の子がいた。  女の子は僕を見ると、地面を()っていた身体を起こし、気怠(けだる)そうに立ち上がった。 『おにいちゃんのたましい、ちょうだい』  生気のない大きな目と、小さな唇からは、真っ赤な血が流れている。  生身の人間じゃないことは、見ればすぐにわかった。  僕の身体は――心は、霊体に蝕(むしば)まれていた当時の恐怖を覚えている。  平常心を保つのに、とても苦労する。  手足はブルブル震えるし、噛みしめた歯は、ガタガタと鳴っている。  ――怖い。  すごく怖い。  だけど……でも……。  今の僕は、前とは……。 『いっしょ』  ――え? 『一緒だよ、おにいちゃん。おにいちゃんは、前と同じできたない。お父さんをみごろしにしたのは、おにいちゃんだよ?』  今までの僕とは違うって、自分に言い聞かせようとしたら、女の子が残酷な言葉を告げてきた。  ――比良、いいかい?  霊体に耳を傾けてはいけないよ。

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