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第30話.小テストに向けて前進あるのみ②

「あれ? 模範解答、オレと誠のって書いてある事が違う?」 「え? 本当だ」 敦と誠はお互いの模範解答を交互に見る。 『敦のは、高校に入ってから習った事をふんだんに使ってる。誠のは今勉強してる所までで解けるように書いておいた』 初回の小テストについては中学生までの解き方でも構わないと言われているので、静もそこを考えて模範解答を作っていた。 『本番は3日後だから明日と明後日は本番を想定して、放課後教室に残ってテストやってみよう。問題数は減らして作るから時間も短くて大丈夫だし』 今回の結果を踏まえてどんな問題を作るかは、静の頭の中では出来上がっていた。 敦と誠が同じ問題を解くという事も大事だった。 誠用に簡単な問題を作っても良いのだが、それでは上達はしない。 第2回仮想小テストは2人共、第1回の復習をしっかりとしてから挑んでいた。 1問に対する時間は同じで組まれていたが、敦は時間が余り、見直す余裕も出来ていた。 誠はギリギリではあったが、全ての問題を解く事が出来た。 結果は敦は満点を、誠は3問間違えと上々の結果である。 「オレ、満点取ったの初めてかも。嬉しいもんだなぁ」 「敦、スゴイね。僕、また同じ間違いしちゃった。悔しいよ」 第1回でした間違いを繰り返してしまった事を、本当に悔しそうにしている誠を見て、静と敦は顔を見合わせた。 「誠変わったな。前だったら悔しがる事なんて無かったろ」 敦の言葉に誠はキョトンとする。 自分が変わったなんて全く思っていなかった。 ただ、勉強が楽しいものだって事が分かっただけだった。 「んー? 変わったのかな?」 そう言いながら模範解答を読んで、あ、そうか! と間違いに気がついている。 勉強のべの字を聞くだけでも拒否反応を示していたあの誠はもういなくなっていた。

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