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✲第38話.大事件勃発②

✳︎無理矢理・暴力の描写を含みます。 自分に向かってくる手を払い、力が一瞬入らなくなるツボ目掛けて肘を入れる。 ここまでは上手くいった。 横をすり抜けてシャワーブースを出ると、もう1人がいた。 正面から対峙する。 目の前の人物に集中し過ぎてしまった。 後ろから来る気配に気が付いた時には羽交い締めにされてしまった。 「ナイス!」 気持ち悪い 怖い この状況での攻撃の仕方を知っていても、体が動かなければどうしようもない。 「悪い子だなぁ、お仕置きされたいの?」 羽交い締めにしている人が耳元で囁いてくる。 「イヤ…だ」 どうしてこんな時でも声が出ないの…… 静は自分が自分で嫌になる。 正面の人が近づいて来て、包まっているバスタオルを取り払った。 身体を上から下まで舐め回すように見られ、抑え込んでいた震えが止まらなくなる。 「震えても、何があっても、俺達はやめないよ?」 「相変わらず鬼畜だなぁ」 ベッドに連れて行かれのしかかられる。 抵抗しようにも2人がかりで襲って来られてはなす術がない。 「指、舐めろ」 無理矢理口に突っ込まれた指を思い切り噛んだ。 噛み切ってやると思って噛んだから、相当痛いだろう。 「痛ぇ! ふざけんな!」 指を引き抜くと全力で頬を叩かれた。 「気持ち良くしてやろうと思っていたが、やめた。痛いのが好みのようだからな」 怒りを前面に押し出してこられ、恐怖もどんどんと強くなる。 「イヤ…だ……は…なせ………」 抵抗の声も掠れて上手く出ない。 こんな時ぐらいちゃんと声出てよ! 静は今までで1番声が出て欲しいと思っていた。 「そうかそうか、嬉しいか」 ガチャと鍵の開く音が聞こえた。 相当興奮しているのか2人は気が付いていない。 「ただいまっ? え?」 「誠! 来るな! 逃げろ! むぐっ」 とにかく必死で叫んでいた。 外に聞こえないように手で口を塞がれた。 「静?! ちょっと敦、手離して」 誠の声が段々と遠くなりパタンとドアが閉まる音がした。 きっと一緒にいた敦が状況を判断して誠を部屋に入れないようにしてくれたのだろう。 良かった。誠を守れた。 自分はどうなってもいい。 「時間がない。早く済ませるぞ」 「俺はいいからお前だけでもヤっちまえ」 いつからそいつらは臨戦態勢に入っていたのだろうか。 必死に抵抗しようとする静を押さえ付け膝裏に手を置き、見られたくない場所をあらわにされる。 尻に硬いものが押し付けられる。 それでも諦めたくない。 「助けて……助けて! 嫌だ!」

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