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第94話.【敦の休日】もう、無理!①

「で、これはどうするんだ?」 潤一がゲーセンでの戦利品であるウサギのぬいぐるみを掲げる。 「それは静にあげるの」 「本島に?」 「ダメかな」 潤一は考えるように上を向く。 「敦がもちろん1番可愛いけど、3人がぬいぐるみ抱いて並んだ所が見てみたい」 「何それ。オレは誠と静の2人が並んでる所を写真に撮りたいなぁ。で、待ち受けにする!」 へへへと笑うと、潤一も笑った。 「それ、速攻で本島に消されるだろ」 「あぁ、だね。誠は喜びそうだよな。可愛い静と一緒だーって」 スマホが鳴って直ぐに見ると静からのJOINだった。 「静、明さんの所に泊まるって。何だよ、今日の事聞きたかったのになぁ。まぁ、帰って来たら聞けばいいんだけど」 「あのさ、本島と鈴先生って付き合ってるのか?」 潤一は今更な質問をしてくるが、学校でできる話じゃないもんなぁ。 「たぶん、今日そういう事になるんだと思うんだ。でも、鈴先生は真面目だから卒業したらってことになりそうだけど」 「どうして生徒同士とか教師同士は良くて教師と生徒だと問題になるんだろうな」 実は敦も昔から疑問に思っていた。 人を好きになるのはいつも突然で、教師だからダメなんてコントロール出来るものじゃないのに。 「本当だよね。同じ年の差でもサラリーマンと高校生だったらそこまで言われないよね?」 「若い子が好きなんだってからかわれそうだけどな」 「オレは潤一と同い年で良かった」 もうお風呂にも入ったし、さっきシャワーブースで準備も済ませた。 枕の下には拓海さんからもらった特大サイズのコンドームも用意したし。 とにかく、そういう雰囲気にもっていこう。 「俺もだよ」 あ、オレから潤一の隣に座ったら、潤一のベッドでするよな。ってことはオレの枕の下に用意したコンドームは間違いじゃんか。どうする? オレ!! 一応今履いてる短パンのポケットの中にも入れておいたからそれで何とかしよう。うん、オレ天才!! オレは潤一の隣にピタッと隙間を空けずに座る。 「なぁ、潤一っ……え?………」 シてって言う前に、オレは潤一に押し倒された。 「敦」 緊張してるのか声が震えている。 「どうした?」 「俺、敦のこと抱きたい」 さすが初めて。直球ストレートだな。 「うん、いいよ」 オレのこの言葉が始まりの合図になった。

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