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第175話.◆心配
静が目を覚ました時には、夢の出来事は殆ど記憶に残っていなかった。
ただ1つ、優しい人がいたことだけはいつも覚えている。
「シズカ、大丈夫か?」
「何が?」
静は起き上がると首を傾げる。
サクは何も覚えていないと分かり、何でもないと静の頭を撫でる。
「あ、シンさんは? 熱下がった?」
「少し落ち着いてきてるが、まだ近付いていいとは言われてないよ」
「そっか。心配だね」
サクには周りの心配ばかりして、自分の事は無頓着な静のことが心配だった。
建物の扉が開き、静はビクっと体を強張らせる。
「秀明様、体調のすぐれない者がいますので、今日は」
「五月蝿い! そんな事は関係無いと何度言えば分かる!」
怒ったような秀明の声に静は急いでベッドから降りると、声のする方へ向かう。
「シズカっ」
声は届かなかったのか、静は迷う事なく秀明のところへ行ってしまった。
「お父様っ!」
静は秀明の背中に抱き着いた。
秀明はカッとなって振り上げた手を静かに下ろした。
「静か?」
「はい、こんな時でも会いに来てくれるなんて嬉しいです」
抱き着く腕にギュッと力を入れる。
「そうか! 静は可愛いな。今日もお前が相手をしなさい」
「はい。もちろんです。僕を選んでくれてありがとう」
秀明は抱き着く静の腕を外して向かい合うように抱き締めるとその場でキスをした。
「んんっ、ふっ、、あっ、、おと、さ、、ま、、」
静が秀明の首に腕を回すと、秀明は静をお姫様抱っこして中央のベッドまで運ぶ。
静に付けた貞操帯がよく見えて秀明は嬉しそうに微笑む。
こうして抱き上げられるのは初めてのハズなのに、この腕は違うと静の本能が告げる。
それでも嫌がる訳にはいかないので、静は首に回した腕に力を入れる。
ベッドに着くと昨日と同じようにローションを渡される。
「さあ、今日もその気にさせてくれよ?」
「はい」
最近の秀明は静自身にお尻の準備をさせて誘惑する様にさせていた。
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