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✲第178話.◆限界
✳︎秀明×静を含みます。
✳︎自傷行為の描写を含みます。
嫌悪感に苛まれながら、また秀明が静の中に出す。
これが今日2度目だと静も認識していた。
「綺麗にしなさい」
自分の中から出された秀明のモノは精液特有の臭いがして思わず顔を背けたなるが、その気持ちを押し殺してピチャピチャと全体を隈なく舐め回す。
そのまま頭を撫でられる。
「今日の静はことの外良かったよ。明日は来られないが、明後日また来るからな」
「はい、待っています」
秀明は仕事の関係上、どうしても1週間に1日だけこの建物に来られなかった。
その日は丸1日何も考えずにいられるので、静はいつもゆっくりと体を休めていた。
貞操帯も外されるので、秀明から解放された気分を少しだけを味わう。
扉が閉じて、秀明の気配がなくなると、静は自分で自分の体を掻き抱く。
ローションに変な薬が入っていたことは間違いないだろう。
でも、それで自分から秀明を求めてしまったことが許せない。
2回も中に出されて、少し動いただけでも出されたものが出てきてしまう。
自分が汚くて、汚くて、消えて無くなりたいとここに来てから何度も思っている。
ふと右手に刺さったままの点滴用の針の存在を思い出す。
静はネット包帯を外し、サージカルテープで止められている針を強引に抜くと右手に持ち変えて、針の場所を確認した。
針が下を向くように持つといつも傷つける左腕を刺す。
針は細くてチクッとする程度なので何度も何度も刺す。
左腕だけではなく、右足の太ももにも刺す。
気が済むまで刺してから刺したところを爪で引っ掻く。
いつもよりも簡単に血が流れる感覚がする。
血と一緒に汚い何かも流れていくようで、引っ掻くことをやめられない。
静はシャワーを浴びなくちゃと思い立ち、左腕と右足の太ももから血を流しながら中央のベッドから降りるとふらふらと歩き出す。
「静さん?!」
「晴臣さん、シャワーを浴びなくちゃ」
「ダメです! 傷の手当てをしますから」
「汚いから、綺麗にしないと」
「このままシャワーを浴びたら、死にますよ」
本当はそんな事はない。でも静の足を止めることには成功する。
「なら、やっぱり浴びないと」
「え?」
静は晴臣の方に顔を向けると微笑んだ。そして目に涙を溜める。
「もう、死にたいよ」
秀明が退院してから、秀明がここに来た時はいつも静が相手をしていた。
他の人が指名されていても、言葉巧みに自分の相手をするように仕向けて、結局週一の休みはあるもののほぼ毎日相手をしているのだ。
心が限界を超えてもおかしくはなかった。
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