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第217話.◆◇愛しくて②◇◆

静が首を横に振ったのを見てホッとする自分がいる。 思ったより余裕がない。 「今日は痕を付けないで欲しい……です」 痕ってキスマークのことか? 「何で? 俺のものだって印付けちゃダメ?」 静は体育の授業も出ないし、みんなと一緒にお風呂も入らない。 見えない所になら痕をつけても問題ないと思っていたのに。 「それは次の時にして?」 涙目で上目遣いで言われたらダメなんて言えない。 可愛すぎるだろ! 顔が熱くなるのを誤魔化すように頭をかく。 「分かった。今日は痕を付けないようにする」 次の時か。今回だけで終わりだとは考えていないと分かって嬉しくなる。 頭を撫でてから手を頰に当てる。 キスをして少し離れた所で目を開けると、やっぱり目を開けてこっちを見ていた。 「やっぱり目は開けたままなんだ」 クスッと笑うとハッとしてすぐに目を閉じる。 「可愛いなぁ」 心の声が口から漏れる。 さらにギュッと目を閉じるもんだからもう一度キスをしてから抱きしめる。 俺はどうでもいい。静を気持ちよくすることに専念しよう。 抱いて下さいとは言われたが、何も挿入する事が全てでは無い。 次があるのならゆっくりと進展すればいいと思っていた。 静の思惑に気が付かずに………。 首筋に痕が付かないようにチュウっと吸い付くと体をピクッとさせる。 顔を見ると目は閉じているが、長いまつ毛が震えている。 「緊張してる?」 パチっと目を開けるとジトっとした目で見上げられた。 「当たり前です……こんな事するの初めてなんですよ」 今までは襲われそうになった事しかなかった。 やっぱり怖いかな。 「でも、やめないで……ください、ね?」 やめようかと言おうとしたら、先にそんな事を言われた。 恥ずかしそうに首まで真っ赤にして言われて、下半身に響く。 「ん、やめないよ」 自分は上半身裸だが、静はTシャツを着ている。 裾から捲り上げようとしたら手を握られた。 「どうした?」 「脱ぎます」 「そう? じゃあ脱がせてあげる。手を頭の方にして」 スルッと脱げた。 思った通り痩せた体だが、それもまた煽情的で乳首はピンク色で可愛い。 乳首が可愛いとか、俺は変態か! いや、きっと静のことは全て可愛いんだ。だから仕方ない。

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