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✲第262話.◆拒絶
✳︎秀明×静を含みます
✳︎無理矢理・流血・暴力の描写を含みます
今日は大晦日だと晴臣さんが教えてくれた。
クリスマスクルーズの後、秀明さんは1度もここには来ていない。
『秀明さんに何かあった?』
「奥様の容態が悪化しまして、秀明様はそちらに付きっ切りです」
『裕美さんの?! 大丈夫なの?』
仕事が大変なのかと思ったら、裕美さんが?
あまり会ったことは無いけど、母さんと良く似た人で優しかったことは覚えている。
そう言えば、身体が弱い人だと誰かから聞いた気がする。
「ようやく安定してきたと聞いています。クリスマスクルーズに参加されていたのも、無理をしていたのでしょうね」
あの船に乗っていたんだ。
会いたかったな。
でも、いつか会えるかな?
優しい裕美さんの顔が目を瞑ると浮かび上がる。
目が見えなくなったのに顔が浮かんで不思議に思っていたら扉が開いた。
え? 何で?
入って来たのが秀明さんだと分かる。
裕美さんのそばにいなくていいの?
疑問をぶつける前にギュッと抱き締められる。
「お父様?」
「今日は何も言うな。………裕美が死んだ」
ウソ。だってさっき容態は安定したって。
言われたことを理解出来なくてグルグルしていたら、キスをされた。
裕美さんを裏切っている気がして、頭を振って逃れる。
『こんなこと、やめたい』
「後藤?」
「こんなことはやめたいと言っています」
パシンと乾いた音がしたと思ったら自分の体が少し飛んでベッドの端に着地した。
きっと手加減なく叩かれたのだろう。ジンジンと痛みが湧いてくる。
「私を拒絶するな」
『嫌なんです』
「嫌だと………」
「ふざけるな!」
カチャンと音がしたと思ったら肌をスーッと何かが触る様な感触がした。
何だろうとそこを触るとヌルっとしたものに触れた。
生温かいそれが血だと認識するのにそこまでの時間はかからなかった。
「秀明様?! 何を!」
「これは私のものだ。お前にとやかく言われる覚えはない」
晴臣さんに何か言われるのが嫌なのか苛立ちが伝わってくる。
「静、足を開きなさい」
ここで言うことをきいてしまえば何も変わらない。そう思ったから首を横に振った。
秀明さんは僕の足首を掴み勝手に開脚させる。
「もうココは私を待っているだろ?」
いつものように少しも慣らさず秀明さんが押し入ってくる。
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