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✲第311話.嫉妬

明さんと拓海さんが気になるけど、それよりも久しぶりに感じる潤一の体温とか腹筋の感触とか無骨な手とか、色々とヤバい。 潤一に触られてだんだんと気持ち良くなってきたと思ったら、オレじゃない声が聞こえてきた。 「んああぁっ、あ、きら、さんっ」 めっちゃ色っぽい声に潤一の手も止まって、オレもそっちに目を向けた。 ぼーっと拓海さんを見つめる潤一に胸が痛くなる。 「潤一?」 オレの声にも気が付かない………?! 急に泣きたくなる。 「………っ、じゅん、いちっ」 目に涙が溜まる。 ペちって叩くとようやく気が付いたのかオレを見た。 「え? え? なんで? 敦、泣いてる?」 「バカっ。他に見惚れんなっ。オレだけを見ろよ」 抱きついたらギュッてしてくれた。 「ごめん。敦しか見ないから許して? 俺、ああいうの見たことなかったもんだから」 「え? エッチなビデオとか見たことないの?」 「ない」 うわあ、衝撃の告白だ。 高校生なら1度くらい見たことあってもいいと思うけど、潤一が見たことないっていうのは頷ける。 「じゃあ、今のだけは許すけど次はないから」 「分かった」 チュッてキスされたら機嫌も直る。 オレって単純だ。 でもそれでいいって思う。だってオレは潤一のことが好きなんだから。 目を開けて潤一を見たらニヤニヤしている。 「なんでそんなにニヤニヤしてんだよ」 「えー? だって敦が泣きながら嫉妬してくれるなんて嬉しくて」 言葉にされると凄く恥ずかしい。 「言うなよ」 恥ずかしさで熱くなる。 露天風呂で火照ってるのに、更に熱くなってしまう。 「敦、可愛すぎだから。熱い?」 体を持ち上げられて岩の部分に座る。 岩が冷たくて気持ちがいい。 風が吹いて茹だる位に温められた体に気持ちいい。 「涼しい」 ふうって息をはく。 その息ごとキスをされた。 舌を吸われて口の中を舌で隈無く触られて、もうどうにでもしてってなる。 両方の乳首をクニクニってされて体がビクって自分の意思とは関係なく動く。 声が出そうになるけど、それは塞がれた潤一の口の中に消えていく。 「………んんっ、、ぁん、、んっ…………」 下半身に手が伸びてきて勃起したそれを握られる。 「気持ちいい?」 先走りを塗り広げられてクチュクチュと音を立てて上下に擦られる。 声に出したら変な声も一緒に出てきそうで、コクコクと頷くだけにする。

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