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第331話.目が離せない
誠の裸にどうしていいのか分からず、むにむにと腹を揉んでしまった。
全身がピンク色の誠に対して、俺は頭の中がピンク色になっていた。
それを引き戻してくれたのはジュンと明さんだった。
2人がいなかったら自分が何をしでかしていたか分からない。
俺の下半身は誠の裸にしっかりと反応していた。
誠は自分の欲望の対象だと改めて認識をした。
一目惚れをして約1年。
何度も何度も告白をしては『友達だもん。僕も好きだよ』としか返事をしてくれなかった誠が、俺と同じ意味で好きだと言ってくれた。
そのことが俺のタガを外したのだと思う。
ただ、誤解して欲しくはない。
誠を抱きたいと思ったとして、どうしたらいいのか知らない俺は何も出来ない。
俺がしたいと思ってるのは、抱き締めてキスをすること。
それだけ。
それなのに色々と飛び越えて裸を見るなんて反応したくなくても免疫が無さすぎて無理だった。
ここの風呂は白濁してるから、同じように反応してしまっても気が付かれることはないと思う。
体と頭を洗い、露天風呂に向かう。
「ヒロくん、やっと来たー。僕茹だっちゃうかと思った」
「ごめん遅くなって」
大きめの岩風呂に、明さん、鈴先生、佐々木、ジュン、誠が入っている。
晴臣さんはまだ体を洗ってたから、有馬さんがいないのか。
「有馬さんは?」
「森はサウナに行った。サウナで汗を流さないとダメだと言っていたが、何がダメなのかはよく分からん」
誠とは離れた場所にいようと思っていたが、そうはいかない。
「ヒロくんは僕の隣ね。こっち来て」
そう言われて行かない訳にはいかない。
「ん、分かった」
みんなの間を通って誠の隣に座る。
泉質は柔らかくて本当に気持ちがいい。
「気持ちいいなぁ」
「気持ちいいね。お肌もツルツルになるの」
誠はそう言うと腕を俺の前に出す。
それを触るとモチモチした腕はスベスベで触り心地も最高である。
さっきの二の舞にはならないように、なるべく誠の方を見ないようにする。
「ほんとツルツルスベスベだな」
「ヒロくんもツルツル?」
一応腕を誠の前に出す。
「まだ入ったばかりだから誠ほどじゃないよ?」
「そうかな……? やっぱりツルツルだよー。またお揃いなの。僕ね、ヒロくんとお揃いが嬉しいの」
ちょっと小さな声でチラチラ見ながら言われる。
だから本当に可愛いんだって!
俺はどうしたらいいんだよ!
結局誠を見ないでいるなんて無理だった。
「あ、晴臣さんだ。この前の時も思ったんですけど、晴臣さんって凄い筋肉ですよね!」
「敦さん。静さんに再会して、また鍛えようと思いまして。でもまだまだです。1日でもトレーニングをサボるとすぐに戻ってしまうので」
「それ、分かります! 俺も自主練しないとすぐに体がなまるので。俺の場合はスポーツですけど」
晴臣さんが来た。その体はボディビルダーとはまた違うが、とにかく筋肉が凄い。
「長谷さんも芹沼さんもスポーツをされる方々はしなやかでいいですね」
「ヒロくんのお腹も割れててかたいもんね〜」
さっき触られたことを思い出していると、誠は急に立ち上がり岩の部分に座った。
思わずその姿を仰ぎ見る。
座ったら誠の男のシンボルに目がいきいかんと思うが、今度はピンク色の乳首から目が離せなくなる。
温泉で暑くなったのではなく、誠の姿に顔に熱が集まる。
「ヒロくんも熱いなら岩に座ったら? 冷たくて気持ちいいよ」
「いや、まだ大丈夫だよ。ありがとう」
こんなんでこの先も何とかなるのだろうか?!
お揃いが嬉しい誠は、きっとまた一緒に風呂に入りたがる。
まさか、一緒に寝たいとは言わないよな???
一抹の不安が頭をよぎった。
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