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✲第470話.大切にしたい③
初めては最低だった
なんて言われたら立ち直れなくなる。
雨音さんにも『晴臣の体力を侮るな。あいつの体力はアスリートも超えている』と言われているし……さっき宣言したように声のことを考えられなくなるくらい気持ちよくしよう。
トロットロに蕩けるまで、本番はしない。
なんなら今日は最後までしなくても、明日すればいい
その位の余裕を持ってコトに及ぼう。
なんて、まだその身体に触っていないから冷静でいられるのだろう。
緊張で震えている晴臣の手をとってもう片方の手でさする。
「森……さん?」
「緊張し過ぎ。そんな直ぐに挿れたりしないから、心配するな」
「でも……したい…ですよね?」
「したいよ。でも、晴臣が嫌がることはしたくない…………あー……ムードも何もあったもんじゃ無いが、これ貰ってくれるか?」
自分のバスローブのポケットに入れていた指輪の箱がベッドに転がっているのを見つけた。
用意していたことすら忘れてた。
諒平に頼み倒して速攻で仕上げてもらったのにな。
黄緑色のペリドットが埋め込まれた指輪。
デザインはシンプルなものにした。
「今ですか?! ふふっ貴方らしいですね」
2度も愛していると伝えたのにどうしてあの時に出さなかったかな。
でも晴臣の緊張が解けたようで、結果オーライか。
晴臣は起き上がりベッドに座った状態で左手を差し出してきた。
「貴方がはめて下さい」
薬指にはめるとぴったりだった。
思った通り黄緑色がとても似合っている。
初めはサファイアをと思っていたが名前から嫌な事を思い出すと思い、やめた。
「貴方の指輪はないんですか?」
「あるが?」
「貸してください」
晴臣の指輪と同じ箱に入っていた石は無しの指輪を晴臣に渡す。
「はい、手を出して」
右手を出そうとしたら晴臣に左手を握られた。
嬉しそうな顔で指輪をはめられた。
2人だけで行われた指輪交換に恥ずかしくなる。
「なんか、照れるな」
「貴方も緊張していたんですね」
「そりゃあこんなに愛しいと思う人は初めてだし、今日を嫌な思い出にする訳にはいかないだろ?」
汗で張り付いた前髪を手で梳かす。
「流血しても嫌な思い出とは思わないかと……」
「俺の嫌な思い出になるだろ」
「拓海さんから初めては気持ちいいだけじゃないって聞いていますし、全く怖くないと言えば嘘になりますけど……俺はちゃんと抱いて欲しいって思っていますから」
目を逸らさずに気持ちをぶつけてくる晴臣は、やっぱり強くて美しい。
「いいのか? 止められなくなるよ?」
「指輪が覚悟を決めさせてくれたので」
そんな風に微笑まれたらどうしたらいいのか分からなくなる。
1つ呼吸をして、晴臣の腕に引っかかっただけの状態となったバスローブを持って下に引っ張る。
「脱ごうか」
腕を下ろしただけでするりと脱げて、2人共全裸になる。
「あの、ゴツゴツして抱き心地が悪いと思います。すみません」
「ゴツゴツ? しなやかだよ……お腹はゴツゴツかな………」
くっきりと6つに割れた腹筋を触る。
見た目とは違って手が吸い付くような肌をしている。
「ずっと触っていたくなる……」
「擽ったいです」
「くすぐったい所は性感帯になるみたいだよ。ちゃんと覚えておいて今後開発しような」
その時のことを考えるだけで顔がニヤけるのが分かる。
「首は確実だよな。耳とお腹は候補に上がる」
頭の中の晴臣ノートに記入する。
そんなことをしなくても覚えていることは確実だが、念の為。
「ココは?」
「なんかムズムズします」
乳首がベビーピンクって……滾る。
クニクニと触っていれば段々と主張をしてくる。
先端だけを指先で優しく触る。
「……なんか、はっ、んんっ……へん、ですっ」
モジモジと足を擦り合わせているのを見れば、ソコがエレクトしてきているのが分かる。
でもソコには触らずに乳首への刺激を続ける。
時折潰すようにし、また先端だけを優しく触る。
胸を突き出すようにしているのはもっと触って欲しいということだよな?
「舐めるか」
「ふっ……んぁっ………」
ハァハァと呼吸は忙しなくなっていて、俺の声も聞こえなくなっていそうだ。
舐めて欲しいと言わんばかりに胸を突き出し、ツンと主張を続ける乳首……悩んだ末に左の乳首から少し離れた所に舌を這わせる。
右の乳首は優しく触り続ける。
舌を段々と左乳首に近づけるが、触らないように気をつける。
乳輪をペロペロと舐めると、ビクビクと身体を震わせた。
体を起こして上から眺める。
左乳首の回りは俺の唾液で濡れそぼり、両乳首は真っ赤に色づき……とても美味しそうだ。
思わずペロリと自分の唇を舐める。
「しん……さん?」
焦点が合わないのか何度も瞬きをする。
「……なめてっ………」
手をこちらに伸ばして口からは飲み込みきれなかった唾液が垂れている。
「どこを?」
分かっていて聞くのは……晴臣の声が聞きたいからなんて綺麗事は言わない
恥ずかしさに震える晴臣の姿を脳裏に焼き付けたいからだ
「っ……ココっ………ちく、び…………ちゃんと、なめてっ…………!」
自分で触らないように少し離れた所から指し示す
そう言うだけで、エレクトしたソコからも先走りがコプコプと溢れ出る。
晴臣をトロットロにするまで抱かない!
自分で決めたことを再確認してから左乳首に唇を寄せた。
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