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第479話.可愛いしかない①

キスをする。半開きの唇の隙間から舌を入れて舌に絡める。 甘い……?! 海外で仕事をしている時に同僚に聞いたことがあった。 どうして恋人のことを『My Sweet』と呼ぶのかと……… 『それは唾液も肌も何もかもが甘いから。もちろん砂糖菓子のように可愛いという意味もあるがな』 そう言われて疑問にしか思わなかった。 でも今なら分かる。 来夢自身も甘いし自分の思考も甘い。 その甘さが心地いい。 舌の動きがぎこちないのはこういうキスが初めてだから? それとも慣れていないだけ? 来夢に性的な経験があるのかどうかは……まだグレーとしか言えない。 唇を離すとぷっくりとした来夢の唇が濡れていて色っぽさを感じる。 息も止めていたのか肩で息をしている。 「キスをする時は鼻で息をするんだよ」 唇を触るとプルンとしていて、ずっと触っていたくなる。 「大輝さん……あの………」 「どうした? 何でも言っていいよ」 「準備は……もう出来てます」 恥ずかしそうに顔を背けて小さい声で言われた。 準備ってそういう事だよな……やっぱり経験があるのか…………… 「服を脱ごうか」 「……はい………」 体を起こしてベッドに座った状態でTシャツを脱ぎ、短パンも脱いだ。 上半身は裸だが、下着までは恥ずかしいようで履いたまま横になる。 下着が女物か? と思うほどフリルが付いているものだった。 「下着は女の子のものを使ってるの?」 「お店ではユニセックスのものだって言われたので……履き心地もいいし………変、ですか?」 「いや、似合ってるし可愛いよ」 来夢が履いているというだけで、興奮してしまう。 「そんなに見ないで……恥ずかしいから」 もじもじと足を擦り合わせる。 俺には変な趣味はないはずだが……下着をそのままでイく姿が見たいと強く思う。 俺も上半身だけ裸になると来夢の頬を両手で包み顔をこちらに向けた。 目が合うとまた恥ずかしそうにする。 「嫌だと思ったらちゃんと言うんだよ。来夢が嫌がることはしたくないから」 僅かに目を見開いてからくしゃりと笑う。 「大輝さんは……優しいね………ありがとう」 大輝さんはの『は』に引っかかる。 以前の相手は優しくなかったのだろうか……? 乱暴に抱いてしまいそうになる自分を自分で止める。 今までのどんな相手よりも優しくしたい。 来夢のだけでなく俺のも含めて………。 もう一度キスをすると今回は唇をしっかりと閉じている。 それならば……… 左耳の縁を舌で辿る。 「ひゃっ」 驚いたように体を震わせると俺の腕を掴む。 掴まれた腕とは逆の手で胸の辺りを触る。 控え目だが主張を始めている乳首を指先でクルクルと触る。 「あっ……んっ………」 声を出すのが嫌なのか手の甲を口に当てる。 「声、聞きたい」 「……やっ……」 「どうして?」 手の動きも止めて上から見つめる。 「変な声、だから……」 「どんな来夢も可愛いよ」 「……そんなことっ………」 可愛いと言われ慣れているはずなのに身体まで赤くする姿に思わず頬に口づける。 「可愛いの他に言葉が思いつかないよ……たくさん気持ちよくなろうな」 首筋に唇を当ててから舌を這わす。 太ももに手を置くと瑞々しい肌は張りがあり、少し動かすととてもスベスベだ。 太ももを触っていたら下着に隠れているソコに手が当たってしまった。 まだ柔らかさが残った感触がした。 首筋を舐めてくすぐったそうにしているし、ソコから意識は離れているようだったので、下着の上から触る。 下着はシルクなのか触り心地がいい。 優しくさするように触ると来夢が目を大きく見開く。 何か言われる前にキスで口を塞いだ。 「……んんっ……や………まっむんん………」 やだ、まって、と言いたいと分かるが…… ごめんな、止まらないよ 俺は優しくなんかない……… だんだんと膨らみが大きくなり硬くなってくるソレを、下着の上から擦る。 漏れ出る声が気持ちよさそうなものに変わってから唇を離す。 忙しない息遣いと気持ちよさそうな声、上気した頬に焦点の定まらない瞳に自分の下半身も形を変えるのが分かる。 下着から少し出た先端を親指でグリグリとする。 「あっ……なんかっ、出ちゃっ……あ………あっ!………」 そのままでも良かったが咄嗟に飛び出た部分も下着の中に納めてしまった。 伸ばされた生地の間から放たれたものが滲み出てきて、嗜虐心が駆り立てられる。 くたっとなっている間に下着を取り払い後孔に指を這わす。 なんの抵抗もなく指が入り込み濡れた感触がする。 初めてでこんなに蕩けている訳が無い…… 性体験があるかないかは……真っ黒だと言わざるを得ない。 指を進めるとその腕をぎゅっと掴んできた。 「ダイ、兄ちゃん……待って………こわい………」 涙をポロポロと流す姿に慌てて指を抜く。 「ごめんごめん、急ぎ過ぎたな」 抱き締めてポンポンと背中を叩くと、落ち着いてきたようだ。 「ぼく、こういうことするの……初めてだから………もう少し、ゆっくりが、いい」 初めて?! え? 真っ白? 自分の頭の中が真っ黒から真っ白に変わり、モヤモヤも綺麗に晴れる。 真っ白の逆転勝利! そんな文字が頭に浮かぶ。

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