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身体が宙を浮く 首に絡みつく物凄い力でユウの力を押さえこんでいる 「がはっ...」 「ミツルくん!!乱暴はやめてっ!!」 椎名が必死に止めに入るが彼はその手を緩めようとはしなかった 椎名の声も聞こうともせず、目の前のユウの苦痛に歪む顔も見えない 彼の目は何も映さず、冷たく濁っている それはユウが一番怖いと思う時の目と似ていた ミツルはユウを引きずるようにして玄関の扉に押し付けた ユウの背中越しに硬い扉の感触が伝わる このドアノノブを降ろせばそこはもうユウの知らない未知の世界 なんでも揃って、そして彼だけがいない世界 「っ....」 ーーみぃくんはユウの事をなんでも分かってくれるの 言葉に出来ない気持ちはみぃくんが全部拾い集めて形にしてくれる だからずっと怖くなかった どうしたらいいの?どうすればいいの? "離れたくない" どうして......どうして分かってくれないの? 「じゃあな、ユウ」 一気に風が身体をすり抜けていく 浮いた身体が突き飛ばされて扉の向こうへ吸い込まれていった 「ユウくん!!」 椎名がその後を追いかけるように飛び出した 転がるユウに駆け寄って、そして2人同時に振り向いた そこに見たのは閉まる直前の扉と、隙間から見えた彼 ーーねぇ、みぃくんの目に最後に映ったのはなぁに?

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