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「いやぁぁぁぁぁああああ!!」
小さな手を伸ばし彼を求めていた
けれどそこに彼の姿はなく、無機質な重い扉が一枚あるだけだった
力任せにそれを叩いて彼の名前を呼び続ける
巻いていた包帯は剥がれ叩いた数だけ跡が付く
「みぃくんっ....」
開けて、ここを開けて、一人にしないで....
言いたいことはあるはずなのに言えるのは不完全な彼の名前だけだ
ユウができることは扉を叩くことだけで、ドアノブを回すこともできない
ユウは何も知らないのだ
二人で過ごしたあの部屋と彼自身しか知らない
これから何一つ知らない自分がどうやって生きていけばいいのだろう...
やだ...やだ...やだ...
誰か......誰でもいいから伝えて?
”嫌なの” ”離れたくない” ”そばにいて”
どれか一つでいいからユウの代わりに伝えてほしい
何でもするから、みぃくんの言う通りにするから
なんでも我慢するから...とりさんもプリンもせんせぇも...大好きなものを全部捨てるから
だからお願い
ユウからみぃくんを取り上げないで
「やだよぉぉぉ....」
ユウは扉に頬をつけて悲鳴のような声で泣き続けていた
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